第80章 スキとキス。
=雅side=
甘えてしまう。
花宮さんの優しさに。
駄目だ・・・離れなきゃ・・・
そう思うのに・・・体が動かない・・・。
「うっ・・・ひっく・・・」
花宮「泣きすぎ」
「だ、ってぇ・・・」
花宮「・・・とりあえず、落ち着くまでこのまんまだからな」
「・・・っはい」
それから、どのくらい経っただろう。
5分、10分?それ以上かもしれないけど、
私は花宮さんの体の中に留まった。
安心していた。
花宮「・・・おい」
「はい・・・」
花宮「泣き止んだなら離れろよ」
「ご、ごめんなさっ・・・!」
そういわれると急に恥ずかしくなり、私はばっと離れた。
辺りを見渡すと、高尾君の姿はなかった。
他のところを探しているんだろうな・・・心配して・・・。
それなのに私はなにやって・・・。
花宮「で?」
下を向いてる私に花宮さんは問いかけた。
花宮「なんで泣いてたんだよ。きもちわりぃ」
「きもちわり・・・!?それは余計です!」
花宮「あーはいはい。で?」
本当は話したらいけない内容だってことは分かってる。
笠松さんにとっても、私にとっても
話したくないことだ。
私っておしゃべりなのかな。
いつのまにか訳を話してしまっていた。