第80章 スキとキス。
=花宮side=
あーイラつく。
どいつもこいつも「無事でよかった」だの
「心配したんだよ」だの。
涙っぽいったらったく・・・。
気にくわねぇんだよそういうの。
アホらしいとまで思っちまう。
俺はイライラしながらホテル内をあてもなくぶらぶらしていた。今誰かと行動してもイラつくだけだ。
どっか静かな場所ねぇのかよ・・・
ドンッ
曲がり角で自分より背の低い人とぶつかる。
ついてねぇ。
花宮「おい!気をつけ・・・ろ・・・」
「気をつけろ」の「け」で
相手が女性だということがわかった。
そして「ろ」で・・・
小倉だということがわかったが・・・。
「っすいませー・・・!」
泣いていた。
何泣いてやがんだこいつは。感動の涙ーとかそういうのじゃねぇ。辛い涙・・・的な。
顔真っ赤にしながら何走ってんだこいつ。点滴は?してただろ?どうしたんだよ。
「-っ・・・!」
顔を伏せ、また走り出した。
なにやってんだよ。頭狂ったのか?
ま、俺には関係ないけどなー・・・
ガッ
「っ離して・・・っ」
花宮「ちょっと来い」
「やだっ・・・」
花宮「物陰入るぞ」
「嫌だっ・・・っ!」
違う。
なにやってんだは俺の方だ。
なんで思ってもないことしてんだよ。
俺は勝手にこいつの腕を掴み、
消火器やら置いてあるホテルの廊下の奥のほうへ連れて行ってた。