第79章 好きと好き。
冷静になり、話しを聞くと
気を失った私を笠松さんが自力で運んでくれたとか。
進んでいくとホテルの灯りが見えて
やっとと思ったところで笠松さんも疲労のため気を失った。
それを今吉先輩と花宮さんが発見し、すぐに医務室へ・・・
という状況だった。
そう、私は生きていたのだ。
たくさんの人たちのおかげで。
「ありがとうございます・・・。本当に、なんとお礼を言ったらいいか。」
今吉「ワシらは見つけただけや。お礼ならここまで頑張った笠松に言い」
「いいえ。先輩方が見つけてくださらなかったら、私達の命はありませんでした。ありがとうございました」
花宮「・・・他の奴らも、呼んでくる」
今吉「おおきに」
「あの・・・」
今吉「ん?なんや。まだあんま喋ったらアカンで。安静第一や」
「はい・・・。その、笠松さんは?」
私がそう聞くと今吉先輩の動きが止まった。
今吉「・・・もう意識も正常や。ピンピンしとるで」
「良かった・・・」
今吉「・・・小倉は寛大やなぁ。自分が死にそうになったいうのに、人の心配やなんて」
「・・・私がこうして生きているのは笠松さんのおかげでもありますし。こんなこと言うのもあれですが、笠松さんが生きているのも私のおかげだと思います。お互い様です」
今吉「・・・ホンマ寛大やで。」
「後で会いたいです」
今吉「わかっとる。アンタが正常になればすぐにあわせたる」
・・・会いたい。笠松さんに。
笠松さんの顔をいますぐ見たい。