第77章 スキーと悪夢。
笠松「小倉・・・?」
「・・・」
不覚にも、言ってしまうところだった。
私も笠松さんが好きだと。
恋愛感情の好きではないことは分かってる。
でも、笠松さんになら・・・
なんてこと考えてしまう。
あはは、最っ低だな。私。
もしかしたら本当に笠松さんのこと好きなのかな。
これが好きっていう感情なのかな。
だって、こうしていたいって思っちゃう。
こうしてあなたを抱きしめていたいって思ってしまう。
これが、恋だとしたら・・・
「笠松さん・・・」
笠松「・・・?どうした小倉」
「私・・・っ」
これで、いい、よね。
「笠松さんのことが・・・」
・・・あ、れ?
言葉がでない。違う。
声が出ない。
そういえば体が重くて・・・全部が重くなって・・・
なんだろうこれ。
笠松「俺のことが・・・?」
「・・・すいません。」
笠松「・・・小倉!?おい小倉!!」
「ちょっとだけ・・・寝かして、くだ、さ・・・」
笠松「小倉!!」
意識が遠のく。
そのなかで最後まで聞こえるのは笠松さんの声。
笠松「畜生!死なせねぇよ!目ぇ開けろ!おい!!」
すいません笠松さん。
もう・・・力が入らなくて・・・
笠松「雅!!!」
・・・名前で呼んでくれたの、はじめてですね。
嬉しい・・・ありがとう。
笠松、さん・・・。
笠松「雅-----・・・!」