第58章 君の傍に。
=日向side=
雅が部屋からでた後、
またソファーに座る俺。
・・・そうか、伊月も好きなのか。あいつのこと。
よほどのことがない限り告白なんてしねぇよな、伊月は。
そんだけ雅が好きってことか・・・。
俺として、実際雅にこんな相談されるのは辛い。
俺もきっと雅が好きだからかもしんねぇ。
他の相手で悩むくらいなら
俺にしとけって言ってしまいたい。
だけど、まだ俺はあいつの先輩でいたい。
雅が望んでいることを
俺が壊すわけにはいかないんだ。
伊月もそう思ってただろう。抑えきれなかったんだな。
・・・俺もいつか言ってしまうのか。
あいつに好きとー・・・・。
・・・その時がくるのを俺はただ待とう。
俺が一人で満足するより、雅が喜んでくれる方が俺は嬉しい。いつか雅が俺に振り向いた時、
その時だ。
その時がこないとしても、くるとしても
俺は傍にいる。目が届く範囲では俺があいつを守る。
雅が泣かなくていいように、もう寂しい思いをさせないように、俺が傍にー・・・。
そうすれば
雅は笑っててくれるのだろうか。
「俺もわかんねーわ・・・」
変な笑みがでてきたのが怖くなり、俺は寝て誤魔化そうとした。