第54章 言えないんだな・・・。やっぱり
=伊月side=
伊月「・・・・っはぁぁ~~~・・・。」
切った携帯を持ったままベッドに寝転がる。
そして大きくため息をついた。
・・・俺は小倉が好きなのか・・・?
小倉には恋愛感情が分からないとか?って聞いてたけど、分かんないのは俺も一緒。
可愛いなとか、綺麗だなとか感じた女性は今までいなかった訳じゃない。もちろん小倉も可愛い後輩みたいだなって思ってる。・・・だけどそれ以前に・・・。
今までにはない、何かが確かにー・・・。
伊月「なんとか誤魔化したけど・・・どうすればいいんだ俺・・・。」
これが恋愛感情と呼ぶやつなら
俺は小倉が好きだ。すごく。
いつの間にか頭から離れなくなった。
あの優しさ、あの笑顔。
俺の事を理解して共感してくれたあの優しい目。
この気持ちがはっきり分かるまで
気持ちを伝えるのにはまだ早いけどな。
伊月「・・・もう分かったようなもんだと思うけど」
自分で言って苦笑してしまう。
ほんっとうに・・・嫌な奴だな俺は。
これ以上彼女を困らせてどうするんだ。