第52章 お見舞い
衝動的に、私は花宮さんを優しく抱きしめた。
花宮「・・・は・・・?」
ぽかんと口をあけて唖然としている。
でも知ってほしい。覚えてほしい。
親に甘えられないことは辛い。本当に
だからせめて、私ができることはー・・・。
こうやって抱きしめてあげることだと思ったのだ。
花宮「風邪うつるぞ」
「もう少し・・・。」
花宮「なんだよ。変な奴」
「・・・早く、良くなってくださいね?」
花宮「もう明日には治ってるっての。粥も食ったし。」
「美味しかったですか?」
花宮「・・・ん。まぁな」
「また作ってあげますね。治ったら何が食べたいですか?」
花宮「・・・生姜焼き」
「分かりました。約束します。」
そんな他愛のない会話をする。
こんなことで私は小さい頃、とても安心したんですよ?