第40章 優しくなんかない。
「・・・。」
ギュッ
伊月「え・・・・?」
気がつくと私は伊月さんの手を握っていた。
体が勝手に動いた。
伊月「小倉、そんなに怪談怖かったのか?」
おろおろしてるが、私は手を離さない。
離すもんかとも思った。
いつも優しくしてくれるんだもん。
今度は私なりの優しさを・・・。
「はい、怖かったです」
伊月「そ、そうか。そんなに駄目だったんだ小倉。ごめんな」
「・・・私小さい頃、怖くなったり寂しくなったりすると、よくこうやってお母さんが手を握ってくれました」
伊月「え・・・?」
「私、今怖いです。」
伊月「う、うん・・・?」
「だから手を握っていてくれませんか?」