第37章 反撃開始
それにしても貴重なお菓子とは、一体何だろう?
そう思って箱を開けてみると、中から小さな立方体がコロコロと数個転がり出てきた。
どれも綺麗に包み紙で包装されていて、可愛らしい。
「キャラメルだな」
「きゃらめる?」
私は聞きなれない名称に首を傾げた。
「砂糖の塊みてぇなもんだ。食っとけ、良いエネルギー源になる」
そう言って兵長は、ひょいっと一つつまみ上げると、綺麗に包装紙をはがして私の口にポイと放り込んできた。
「むっ!あ、甘い!」
私は口をもぐもぐさせながら、普段は滅多に口にすることの無い甘味に眉を下げた。
何年も前の……壁外調査の前日にナナバさんからもらったチョコレートのことを思い出して、少し切なくなる。
だがそんな感傷的な気分も、口の中に広がる甘さが優しく包み込んでいってくれるような気がした。