第37章 反撃開始
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すっかり日も暮れた頃、兵長達は戻ってきた。
エレンに扮したジャンと、ヒストリアに扮したアルミンの囮作戦は、二人が連れ込まれた先でアルミンが変態の被害に遭ってしまうという悲劇が起こったものの、ひとまず成功したとのことだった。
そしてリヴァイ兵長の交渉により、今までは敵であったリーブス商会が一転して協力者になった。
兵長は普段はどちらかと言えば無口な方で愛想もあまり良いとは言えないのに、交渉事をまとめるのはすごく上手なようだった。
今後私達はリーブス商会の手引きによって中央憲兵をおびき出し、中心となって指揮していると思われる兵士を拉致することになるだろう。
それはもちろん、彼らの知っている秘密を洗いざらい話してもらうためだ。
秘密を暴露させるのだから、当然すんなりと話してくれるはずがない。
……だから、多少荒っぽい手段に出るのはやむを得ない。つまり、拷問をする。
そのために私達は、”多少うるさくしても”構わない場所へとアジトを移動したのだった。