第27章 巨人になれる少年
兵法会議の当日、朝早くに調査兵団本部を出発した私たちは、予定時間通りに総統局へと到着した。
「やぁラウラ、よく来たね」
エルヴィン団長とハンジ分隊長に続いて入室した私を、まるで孫が遊びに来たかのようにしてザックレー総統は笑顔で迎え入れてくれた。
ここは総統の個人執務室だ。
初めて総統に絵を見せに来たのもここだったし、それ以来何度も絵を見せに訪れているから、すっかり見慣れている。
でも、何度来てもやっぱり緊張するものだ。
「さぁ、そこにかけたまえ」
総統に勧められるまま、私たちは応接のソファーに腰掛ける。
テーブルには紅茶とお菓子が用意されていた。
総統はいつも、私がお菓子を食べているのを嬉しそうに見ておられて、毎回様々なお菓子を用意してくれている。本当に祖父のようだ。
私の両親は、どちらも親を早くに亡くしているので、私は祖父母というものを知らない。
だからなんとなく、祖父がいたらこんな感じなのかな…などと、恐れ多くもそんな事を思うのだった。