第23章 成果
「若い兵士というのは良いものだのう。見ているだけで元気がもらえるようじゃわい。そうかそうか、ラウラというのかお主は。良い名前じゃのう。ん?……ラウラとな?」
急に司令の顔から笑顔が消えて、驚いたように私の事を見つめてきたので、私はびっくりして心臓が止まりそうになった。
な、何かマズイことでも言ってしまっただろうか…?
「…そうかお主が、かの有名な画家兵士じゃったか」
「その通りです、司令。うちの有望な兵士の一人です」
いつの間にか私の後ろに立っていたエルヴィン団長が、私の両肩に手を置く。頭の上から聞こえる団長の声は、何となく…自慢げな声色に感じた。
「こんなところで会えるなんて嬉しいのう。わしも君の絵は見たことがある。実に凄まじい絵じゃ。まるで場面を切り取ってきたかのように精巧で…残酷じゃ。だが、わし達はその残酷さから目を背けてはいけない。しっかりと向き合っていかなければならないのだ。…君の絵はそれをわし達に教えてくれる」
「もったいないお言葉です、司令」
私はそれだけ返すのが精一杯だった。緊張で口の中がカラカラになっている。
「立ち話もなんじゃ。わし達も混ぜてもらってもいいかな?もっとラウラと話したいしのう」