• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第19章  酒


 その去り際に兵長が見せた表情に、ナナバさんとゲルガーさんは思わず顔を見合わせた。

「…ゲルガー、今の見たかい?」

「…あぁ、見た。なぁ俺、まだ酔っ払ってるのか?」

「酔っ払ってることは酔っ払ってるだろうけど、今のは私も見たから現実のものだよ」

「…リヴァイって、あんな顔して笑うことあるんだな」

「あぁ、彼とも長い付き合いになったけど、あんなに優しい笑顔を見せたのは初めてだね」

「…こえぇー…何の前触れだよ」

 ブルッと身体を震わせたゲルガーさんに、ナナバさんは呆れたように肩を落とした。

「これだからゲルガーは、いつまでも子どもっぽくて困る。前触れ、と言うのなら、もうアレしかないだろ」

「アレ?」

 首をかしげるゲルガーさんに、ナナバさんはやれやれと顔を振った。

「もう寝るよゲルガー。おやすみ」

 そう言ってナナバさんは、私を背負って女子寮へと続く廊下を歩き始めた。

「あっ、おい!まだ話が途中だろー!アレってなんだよ!?」

「ゲルガー、うるさい。ラウラが起きちゃうだろ」

 ぴしゃりと言われて、ゲルガーさんはしぶしぶ男子寮へと帰っていったのだった。
「アレって何だよ?」とまだブツブツ言いながら。

/ 660ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp