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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




それを感じ取ったのか、奴はこれ以上私の心境の変化を問いはしなかった。


「・・・死ぬかもしれねぇぜ。覚悟はできてんのか?」

「そんなものとっくにできている。だいたい、松永のときも一度、ここへ落ちてくるときにもまた一度、死ぬ覚悟をした。お前についてくると命がいくつあっても足りないのだな」

「・・・フッ」


─ドクン─


そう言うと政宗殿は、いつもの鋭い笑顔ではなくて、初めて、ふわりと霞むような笑顔を見せた。

・・・なんだこの表情、見たことない。

そんなに変なことを言っただろうか。

くそ、顔が熱いっ・・・。


「・・・アンタ怪我は?」

「していない。政宗殿は大丈夫か?」

「俺は何ともねぇが馬が傷ついた。少し休ませてくぜ」

「わ、わかった」


私が落ちてきた衝撃で馬が体勢を崩してしまったのか、擦り傷がついている。

謝ろうにも馬相手には謝れないので、せめてもと思い、休む馬の近くに腰かけた。

・・・政宗殿は、立ったまま、尾張の方向を見ている。


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