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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




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馬が癒えるまでのしばしの休息。

馬には薬草をすりつぶして塗り込んでやった。

ついでに火を起こし、山の作物を適当に採って焼く。

政宗殿は木にもたれ掛かり腰を下ろすと、働く私を見ているだけだった。


「アンタがいると便利だな。足手まといになるだけかと思ってたぜ」

「・・・相変わらず失礼だな。でもいい、さすがにもう慣れた。ほら、食べろ」


いただきますも言わずに私の手から山菜を受け取ると、すぐに口に運び始める。

私も奴が食べたのを確認すると、自分も口に運んだ。

もくもくと食べているせいか、しばらく静寂が続いた。


「・・・政宗殿」

「あぁ? なんだ」

「・・・し、静かだな」

「アンタが黙っちまったからな」

「・・・い、今頃、片倉殿はどこらへんを走っているのだろうな」

「さあな」


こんな風に二人きりになったのは初めてで、何やら何かを話さねばならぬ心持ちになる。

幸村様といるときはそんなことないのに、なぜこの男と二人だとこんなにソワソワしてしまうのだろう。


「紫乃」

「なっ、なんだ」


不自然に声を裏返した私に首をかしげながら、政宗殿は質問を続けた。


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