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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君



佐助様ったら、なぜお館様と同じ事を言うのだ。

己の主君が二人いる。

・・・私の心など、皆お見通しなのだ。


「佐助様、私は・・・」

「はいはーい、二択だよ。このまま俺らと旦那を追っかけるか、それをすっ飛ばして先頭の竜の旦那のところへいくか」


佐助様は変なことを言う。

仮に政宗殿を追うとしたって、昨晩出ていった政宗殿には追い付けぬだろう。

一体どうするというのだ。


「佐助様。政宗殿はもう尾張に近づいていると思います。とても追い付けません。空でも飛んでいかぬかぎりは・・・」


あっ・・・


「そ。こういう時が使いどころでしょ?うちの飛行忍具。もっともー、まだ改良中だからちゃんと飛べるか分からないけどね」


佐助様に言われて思いだし、懐から笛の形をした飛行忍具を取り出した。

ここに息を吹き込むと、途端に凧が開いてまっすぐ空を飛べるのだ。


「・・・私、先に参ります。」

「うん。気をつけてね。俺らもすぐ追い付くからさ。」

「はいっ!!」


伊達軍と武田軍。

どちらも尾張に向かって動き出す。

それぞれの胸に信念を抱き、魔王を討ち果たすために。


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