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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




幸村を守りたい、それは紫乃の本心だった。

しかし、今どうやっても消えぬ望みが、もうひとつある。


『紫乃よ。追いかけたい背中があるのだろう』

『・・・っ・・・』


そんなものございません、とは、とても言えなかった。

紫乃には、幸村の他に、もうひとつ。

付き従い、惚れ込んだ背中がある。


『・・・お館様、私はっ・・・』

『紫乃よ。自分の中に主君が二人おることは、何ら悪いことではない』

『・・・っ!』

『己の心に耳を傾けよ。そしてそれに従え。何時なんどきも、自分の心の声、それが一番正しい道なのじゃ』

『・・・心得ましたっ!』


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