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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




「お前ぇら! 何葬式みてぇな面してやがる! 俺たちも尾張に行くぞ!」


片倉殿は、私との話が終わると突然庭先に出て、背中を丸めていた兵たちに向かってそう叫んだ。

もしや片倉殿は、これも政宗殿の意思だと分かっているのだろうか。

あの殺戮集団を相手に、もはや武士と武士の戦ではないのに、それでも誰の闘志も揺らがない。

各々が信念を抱いて、尾張に向かおうというのだろう。

・・・全部、政宗殿が先にいるから、だから皆そう思うんだ。

・・・・私も、そうだ。



───────



伊達軍は片倉殿を先頭に、全員が甲斐を発った。

武田軍は幸村様が動き出さずにいるので、皆がこの城で足を留めている状態。

それでも私は幸村様を待っているつもりだ。

お館様がご危篤の事実を、幸村様の中で受けとめきれるまで、ずっと。


お館様。

目を覚まして下さい。

幸村様は、あなたのお帰りを待っています。



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