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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君





政宗殿と片倉殿は、明智を追って橋の方向へと見えなくなっていった。

もしかしたらもう今ごろ、近くに潜んでいた明智光秀と交戦しているのかもしれない。


──でも、そんなこと、今の私にはどうでもよかった。


「幸村様!!幸村様ぁ!!」


お館様を追って川の奥深くまで沈んでいった幸村様が、上がってこない。

もうどれくらい経ったのだろう、息が止まってしまう。

皆の抑えもむなしく半壊している堤防からは、その内側へ激しい濁流が流れ込んできていた。

幸村様は、この水の中へ迷わず飛び込んでいったのかと思うと・・・。

・・・私は、どうして同じようにできないのか。

私もお館様を、そして幸村様を追ってこの渦の中へと飛び込むべきなのに。


「幸村様ぁ!」


この安全な岸の上でこうして、主君の名を呼び続けるしかできないなんて・・・。

・・・いや、行こう。

例え私の命が無くなっても、お館様、そして幸村様のお命が無くなることは耐えられない。

私は深呼吸をして、激流の中心を睨んだ。


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