• テキストサイズ

【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




───────



「よく来てくれましたね。紫乃」

「お久しぶりでございます謙信殿」


越後にはお館様の好敵手・上杉謙信殿がいて、私はいつも斥候としてここへ来ている。

しかし斥候のためというのは名ばかりで、趣ある謙信殿の話は興味深く、いつしか用事を持ってきたついでにこうして茶をいただいていくほどに打ち解けてしまった。


「伊達の者たちは今甲斐に身を寄せていると聞きました。魔王の脅威が迫る中、竜のもとへ送られた紫乃には無理を強いてしまっていることでしょう」


謙信殿はいつも思慮に富んだ言葉をかけてくれて、話しているととても心地がよい。

最近は破天荒な政宗殿と長く一緒にいたせいか、この時間が特別穏やかでゆっくりと感じられる。


「政宗殿はああ見えて周りがよく見えているようです。共にいても、それほど不自由は感じていません。
・・・それより、お館様が警告しておりました。徳川が明智光秀に討たれ、次に狙われるはお館様や政宗殿、そして謙信殿かもしれませぬ」

「・・・そうかもしれませんね」


/ 147ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp