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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第2章 伊達の流儀




「お前だって私を救っただろう。私も同じだ。
私は伊達軍の一員なのだから、郷に入らば郷に従う。どんなときも仲間を見捨てない。その流儀に従っただけだ」

「・・・アンタやっぱり上等だな」


そう言って政宗殿は私の頭をガシガシと撫でてきたので、私はそれを振り払った。


「馴れ合いはせぬと言っただろう!」

「おいおい、んな固いこといつまでも言ってんじゃねーよ」


すると、どうやっても言い合いになってしまう私たちがいるこの広間に、片倉殿がやってきた。

襖を少し開けたまま、中へ入ろうとしない。


「片倉殿?」

「どうした小十郎」


私たちが呼び掛けたことでやっと広間へと入ってきた片倉殿は、コホン、と咳払いをして正座をした。


「いえ・・・失礼致します。何か込み入った話をしているのかと・・・」

「いや、していないぞ。政宗殿がやけに私を馬鹿にすることばかり言うのだ。叱ってやってくれ片倉殿」

「あ、ああ・・・」

「おいおい小十郎、この俺を餓鬼扱いすんなよ?」


片倉殿は何か用事があってここへ来たのだろうか。

私はそう思って立ち上がり、片倉殿と入れ替わるように襖を開けた。


「それでは私はにぎり飯を握ってくる。」

「アンタ自分の手が折れてること、もう忘れちまったのか?」

「ナメるな。茶碗が二つあれば握らずともできる。」


それだけ言い残し、私は広間を出た。

まったく、飯を握ってこいと言ったのは政宗殿の方なのに、変なやつだ。


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