第2章 伊達の流儀
「にぎり飯を作ると、すぐに孫兵衛が寄ってきて食べてしまう。ふ、奴は腹が減っていない日はないのだな。」
言い合いになってしまったので話をにぎり飯に戻すと、自然と米が大好きな孫兵衛の話をしていた。
あの四人組の話をすると、私は面白くて自然と笑顔になる。
「さあな。・・・そういやアンタ、なんで俺の兵の身代わりになった?」
「え?」
なんで、って言われても・・・
「四人は丸腰だったからな。自力では逃れられぬと思った。私なら抜け出せる方法はあると思ったし、代わりに人質になるほうが四人を安全に解放できると考えた。まあ、結果は知ってのとおりだったが・・・。
・・・何かおかしいか?」
「そうじゃねぇ。わざわざ身代わりになるほど、あいつらに入れ込んでる理由を聞いてんだ」
なんだ、そんなこと・・・
そんなのはあの四人組を好いているからに決まってる。
それに、それだけじゃなくて・・・
「だって、それが政宗殿の流儀なのだろう?」
「・・・あぁ?」
「仲間は絶対に見捨てない。一人も欠けてはならない。それが伊達の流儀だと聞いた」
だから私は政宗殿に着いていくと決めたのだ。
その精神に救われたから。