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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第2章 伊達の流儀




面倒そうな顔をして顔を逸らされてしまった。

・・・独眼竜らしいな。

なぜだろう、とても安心する。


「・・・それでも、私は嬉しかった」


独眼竜は気づいていないだろう。

彼の真っ直ぐ前だけを見ているその姿勢が、ときに後ろを着いていく私たちの救いになっていることを。

何を目指し、何を求めるのか分からなくなったとき。

この男が自分の先にいると、何も気にせず、何も心配などせずに、その後ろを着いていけばいいのだと。

そんな気持ちになるのだ。


「おい、一応聞いておくぜ。アンタ大丈夫か?」


ふいに、独眼竜がそう言った。

なんだかあまりにも似合わない言葉に驚いたが、私は素直に折れた手首を彼に見せる。


「平気だ。じきに治る。腹に穴が空いていたくせに私の心配などするな」


しかしその手首を見ても、独眼竜は表情を変えようとしない。


「・・・手首の話じゃねえ」

「・・・え?」


手首の話じゃない?

じゃあ一体何の心配を・・・


・・・嘘だ、まさか・・・


「・・・き、聞いたのか?片倉殿に。昨日のこと」


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