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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第2章 伊達の流儀





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「どうしたの旦那。紫乃は無事だったってのに、浮かない顔して」


佐助が幸村にそう語りかけると、幸村はさらに表情を曇らせた。

昨晩の紫乃が松永に捕らわれた事件から一夜明け、晴れ晴れとした朝がやってきていた。

それでも幸村は、昨日から元気のない紫乃の様子に心を痛めたままでいる。


「紫乃は昨晩のことを、某には何も話そうとしないのだ・・・」

「え? どういうこと?」

「某には、紫乃がいつも通りとは思えぬ。おそらく、松永久秀に何か酷い仕打ちを受けたのではないかと・・・。片倉殿は何があったのか知っておられる様子なのだが、聞いても『何もない』の一点張りで、どうにも要領を得ぬ・・・」


佐助は、少し考えたあと、ハッと気づいたように目を細めた。


「・・・旦那、それ、紫乃が話したくないって言ってるの?」

「そうだ。しかし某は、紫乃とは共に辛さや苦難を分け合いたいのだ。できることなら、某にも話してほしい」

「・・・なるほどね。でも旦那、話せないことだってある。それは大切な相手だからこそ知られたくない、そんな気持ちだってあるんだよ。・・・分かってあげなよ、旦那」

「佐助・・・・」


余計に話が分からなくなってしまった幸村だが、佐助の言いたいことも理解はしたようだ。

紫乃が話したくないと言っているのには意味があるのだと。

そして、それなら、もうこれ以上追求してはならない、と。


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