第2章 伊達の流儀
片倉殿は、松永の背で私のことが見えていなかったのだろう。
それに気づいた松永は私から手を離し、彼に私の姿を見せつけるように一歩右へとずれながら、片倉殿へと振り向いた。
その瞬間、片倉殿は鬼の顔をさらにつり上げた。
「・・・テメェ、紫乃に何してやがるっ・・・!」
片倉殿、見ないで。
こんな私を誰にも見られたくない。
服を乱され、畏縮しきった私の表情を見て、片倉殿は私が何をされていたのか全て理解したようだった。
「・・・片倉殿、み、見ないでっ・・・」
その様子が面白くてしかたないのか、松永はニヤリと笑うばかり。
「・・・君の言っていたとおり、本当に六爪がやってきた。独眼竜の女というのは嘘だと思うていたが・・・なるほど、想われているのは君が知らぬだけで、真のようだ」
「何の話をしていやがる! テメェの欲しがった竜の爪を持ってきた! 紫乃を離しやがれ!!」
「片倉殿、だめだっ・・・」