• テキストサイズ

【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第2章 伊達の流儀




──────


「・・・ほう、慣れてきたのか? 声が出なくなっているぞ」

「・・・っ・・・」


こんなところに指を差し込まれることがあるのだと、知るよしもなかった。

私はあまりの屈辱に、声だけは出さぬよう口を固く閉じるしかなかった。

・・・それに、痛い。

今まで、戦場で斬りつけられたことだってあるのに、この痛みはそれとは全く違う。

痛む理由が分からない不安が押し寄せて、それは刀傷よりも耐え難い恐怖があった。


「・・・っ・・・」

「・・・もう六爪が来ても良い頃合いだが、見捨てられてしまったのかな?」

「・・・っ・・・」

「・・・涙が滲んでいるぞ。少し痛むのか? これはこれは、本当に汚れなき花であったとはな。そのまま目を閉じて耐えていなさい。しばらくすれば痛みは消えていく。
・・・独眼竜に切り捨てられた哀しみを、この一時で癒すがよい。」


この男、本当に虫酸が走る。

口にすること全てが琴線に触れ、悔しさを噛み締めているせいで口の中はもう血の味しかしない。

/ 147ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp