第2章 伊達の流儀
「片倉様! 筆頭は怪我をしてるんですよっ・・・なのにっ・・」
小十郎は刀を鞘へ戻し、倒れた政宗を縁側へ移動させた。
四人はすぐに政宗の元に駆け寄るが、彼は気を失ったまま。
そして小十郎は、その腰に刺さっていた六本の刀だけを担ぎ上げた。
小十郎は政宗を倒しつつも、その意志は受け継いだのだ。
「・・・俺はこれから紫乃を助けに行く。お前らはここに残ってろ。」
「そんな! 片倉様! 俺たちも連れてってください!」
「ダメだ。聞く限り、敵は冷酷で卑怯な手を使う野郎だ。・・・お前らは足手まといになる」
「か、片倉様っ・・・」
「いいか。月が西に傾いても俺が戻らなければ、甲斐の虎にこのことを伝えろ」
小十郎はそれだけ言い残すと、馬を出して屋敷へと向かった。