第2章 伊達の流儀
─すると、広間の襖が開いた。
「その必要はねえ。相手は俺の刀を欲しがってんだろ?俺が行く。」
「政宗様!」
鎧に着替え、六爪をさした政宗は、そのまま庭へと降りた。
その顔付きは笑みを浮かべつつも険しいものだった。
「なりません。手負いの政宗様を向かわせることは、この小十郎、お許しすることはできません。
それに紫乃のことは、まずは武田を通さねば・・・」
「アイツは今は伊達軍だ。伊達軍は一人も欠けちゃならねぇ。You see?」
言うことを聞こうとしない政宗に、小十郎は刀を抜いた。
「・・・小十郎。自分のしてることが分かってんのか?」
「・・・あなた様を出陣させることはできません。この小十郎、全力で止めさせていただく!」
──二人の刃が交わった。
それは、政宗がふいを打たれ倒れるまで続いたのだった。