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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第1章  奥州に忍ぶ




連れてこられたのは城内の一室。

広く開放的で、そこには男が二人いた。

一人は青の袴姿で、庭で刀を振っている。

もう一人は、行儀よく正座して、それをただ見ているだけ。

この者たちが、独眼竜・伊達政宗と、その右目・片倉小十郎か。


「・・・・政宗様。客人が見えてるようです」


片倉小十郎が私に気づき、庭にいる独眼竜を呼び止めた。

思わずゴクリと唾を飲んでいた。

こちらを見据える独眼竜の眼光は、鋭く蒼い。


「・・・誰だ」

「伊達政宗殿、お初にお目にかかります。武田軍・真田忍隊、紫乃と申します」

「・・・武田のオッサンとこの忍がこの俺に何の用だ」


なんだこの男・・・機嫌が悪いのか?

熱く真っ直ぐで、そしてしたたかに強い男。

幸村様からはそう聞かされていたけれど、まだ私には失礼で偉そうな気分屋にしか見えない。


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