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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第1章  奥州に忍ぶ




奥州への道のりは険しかった。

斥候として何度か来たことがあるが、いつも足取りは重い。

あの男だらけの伊達の集団が籠る城は、特段足を踏み入れたい場所ではなかった。

奥州の城下にたどり着き、その側で高く伸びる木の枝を足場に、まずは様子をうかがった。


「・・・門に二人。たやすく入れるな」


しかし任務の内容を考えると、隙をついて城内に進撃するわけにはいかない。

私に任されているのは、伊達の情報を集めるとともに、彼らが単独で織田に挑むことのないよう、そしてどこかに敗れることのないよう今後誘導していくことだ。

それにはあの独眼竜が、私の話を聞くくらいには関係を築かなければならない。

それなら、やはり正面から向かわなければ。

私は木から飛び降りると、素早く門の前に着地した。


「なんだアンタ!?」


がらの悪い門番の二人はすぐに反応し、持っていた刀の柄を掴んで体勢を固めた。

伊達軍の城内には忍はいない。

私をすぐによそ者だと感じ取ったのだろう。


「伊達政宗殿にお目通り願いたい」

「あぁ? お嬢さん誰だ? 筆頭に何の用だ?」

「武田の使いで参った。伊達政宗殿に話がある」

「武田の?・・・まあ、じゃあ入んな。片倉様といつものところにいらっしゃるはずだ。案内すっから、着いてきな」

「よろしく頼む」


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