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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第2章 伊達の流儀





・・・こんな状況でも顔を赤くするなんて、修行が足りないと自覚している。

胸を張って自分が"伊達政宗の女"だなどと大嘘をついたけれど、果たして松永にバレてはいないだろうか。

捕らわれている四人のうち、良直と孫兵衛も真っ赤になって「マジかよ」と信じこんでいるので、そこまでバレる嘘でもないはずだ。

・・・文七郎と佐間助は、おそらく嘘だと気づいているが、黙ってくれている。


「・・・ほぅ、とても愉快な女だ。独眼竜が実に羨ましい」

「ゆ、愉快とはなんだっ。分かっただろう? 私を代りに人質にしろ!」

「・・・私は人が嘘をついているか否かについて、なぜか容易に見破ることができる。君が嘘を言っているかどうか、それはまず置いておこう。
・・・しかし、君から企みの表情は読みとれぬ。背後に軍勢を用意している様子もなく、私に斬りかかる策があるとも感じられない」

「当り前だ。何も企んではいない」


鋭い奴。

何も企みがないというのは事実だ。

私は何も用意せず、こうして乗り込むしかなかったのだから。


「すると解せぬのだ・・・。なぜ君が人質に成り代わりたがる?何の策も、得もなく、なぜ自らを捕らえよなどと申し出るのか・・・」

「そんなの決まっているだろう! その四人を解放してほしい。それだけだ! 私の友達なのだっ・・・私がどんな目に合おうと、今ここで四人を見殺しにすることなどできない!」


精一杯の気持ちで、そう言い切った。

全部、私の正直な気持ちだ。


「「紫乃・・・」」


悔しくも涙目になってきた。

お願い。お願いだ。

私の言うとおりに、四人を解放してくれ。


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