第2章 伊達の流儀
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必死に気配を追った。
この足音と、衣擦れの音、そして息づかい。
間違いない。
四人は何者かに拐われている。
今この気配の行く先がおそらく首謀者の砦・・・。
このままでは敵地に入り込むことになる。
相手の正体も分からずに、このまま追跡を続けるのが得策なのだろうか。
しかし今から城へ引き返すと、奴らを見失ってしまう。
このまま敵が誰であるのか、私が確かめねば。
「あれは!?」
林の中を進んでいくと、刀が4本落ちているのが見えてきた。
どれも四人が腰に差していた刀だ。
・・・それでは今、四人は丸腰だということ。
しばらく追跡を続けると、林を抜けたところに霧のたち込める屋敷が建っていた。
古く静かな屋敷で、少し薄気味悪さを感じる。
「・・・どこだ?」
敵のこの素早さは、武士というよりも暗殺に秀でた兵たちなのだろう。
音を立てないよう、周囲に耳をそばだてた。