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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第1章  奥州に忍ぶ




──着実に敵に斬り込んで、道は開かれるかに思えた。

しかし、時が経つにつれ、私はひとつ気になることがあった。


武田と戦う徳川が、この数の不利を承知で戦を始めたのは、なぜだろう。

もちろん本多忠勝の存在に頼る気なのかもしれない。

でも、こんな序盤で切り札を出すなんて・・・。

それ以上の切り札となれば・・・そう考えていくと、私には確信に近い仮説が浮かんだ。

もしかして、種子島が用意してあるのではないか、と。

織田の鉄砲隊は各地を殲滅してきた。

それが今回の戦で加勢してきてもおかしくない。

それをアテにしていたからこそ、徳川家康はお館様に兵を向けたのではないだろうか。

・・・それなのに、鉄砲が来ない。

すでにその期は過ぎているように感じる。

このままでは徳川軍は壊滅してしまう。

もし、織田の鉄砲隊が徳川を加勢しないのだとしたら、

だとしたら・・・まさか・・・


「片倉殿!!」


浅井と激闘する独眼竜のすぐ側にいた片倉殿を大声で呼ぶと、彼はこちらを見た。


「織田の鉄砲隊が、こちらへ来るかもしれぬっ!浅井を加勢しに来たら無傷ではすまない!!ここは一旦っ・・・」


そう言ったときだった。

片倉殿は私の言葉を理解して目の色を変えたが、時はすでに遅かったのだ。

すでに前方に迫っていた織田の鉄砲隊が、銃口をそろって、独眼竜へと向けていたのだ。


「政宗様!!」

「独眼竜!!」


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