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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第1章  奥州に忍ぶ




迫ってくる浅井の兵たちに対して、伊達軍は雄叫びを上げながら臆せず立ち向かっていった。

武田の軍とともに出陣したことしかない私は、味方の景色がいつもと違うことに少しだけ戸惑っていた。


「紫乃さん! つかまって!」


文七郎は私を背に隠すようにして刀を抜くと、馬に乗った敵を着実に倒していった。


「文七郎! 私は一度降りて加勢する! これでは戦いづらいだろう!」

「大丈夫だ乗っててくだせぇ! あぶねえから!」

「いや、降りる!」


私のせいで文七郎に何かあったりしたら目覚めが悪い。

思う存分いつもの力で刀を振るってもらわなくては。

すぐ側で繰り広げられている独眼竜と浅井長政のぶつかり合いは、激しさを増している。

浅井は織田に屈したと聞いていたが、思っていた以上に強い。

信念を感じる剣だ。

──でも、独眼竜は、それ以上に強い。

幸村様の話は真だ。


「よそ見するなよ!女ぁ!」


そのとき、浅井の騎馬兵が私に向かって突撃してきた。

私は覚悟を決めて、腰の飛び刀を構える。

戦わねば。


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