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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第1章  奥州に忍ぶ




─────


駆け抜ける伊達の軍勢は長篠に差し掛かっていた。

すでに爆風と炎が見えている。


(あれは武田の軍と徳川か・・・)


見るからに、状況は武田の有利だ。

これなら、幸村様もきっとご無事だ。

だいたい幸村様が簡単にやられるはずがない。

どんな相手でもその炎の槍で打ち勝っておられるに違いない。

しかし、横目で見た景色の中に、幸村様はいた。

相手の武人は私も初めて見る、あれは・・・

本多忠勝。

戦国最強と謳われる武人が相手とは・・・。


「あ、あの紫乃さん?どうかしたんで?」

「えっ・・・あ、いや、なんでもない文七郎・・・」



大丈夫。

幸村様なら、大丈夫だ。

このまま伊達はこの長篠を通りすぎる。

私はそれに着いていかなければならないのだから。


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