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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第1章  奥州に忍ぶ



言いきった。

ずいぶんと幼稚な言葉になってしまったが、全くの嘘というわけでもない。

すると、独眼竜はニヤリと笑って、私と同じ目線まで腰をおろした。

顔をあげると独眼竜の射るような瞳が、すぐ目鼻の先にある。


「アンタいいな。上等だ」


頭をぐしゃぐしゃと撫でられそうになるが、その手はそうされる前に振り払った。


「や、やめろ! 馴れ合いはしない!」

「ハッ、とんだじゃじゃ馬が転がりこんだもんだな。OK,軍議に出な。出たところでアンタの意見を聞き入れる気はねぇけどな」

「本当か? それでもかまわない! 礼を言うぞ、独眼竜!」


良かった。

とりあえずは軍議に出るところにこぎつけることができた。


しかし改めて思うが、この奥州での任務、今までの任務とは全然違う。

こんなにも人の心の内を考え、そこへ潜り込まんとするのは初めてだ。

人の心は、自分の要望だけでは変わらない。

相手の心を動かすためには、まず私の心を真のものにすること。

伊達軍を好きだという気持ちを、本当のものにするということが必要だ。


・・・お館様は、いつも私に適切な試練を下さる。


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