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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第4章 恋の残り香




「紫乃!」
「どこ行ってたんだ紫乃さん!」
「もう筆頭と武田の兄さんで魔王倒しちまったぜ!」


嬉しそうに話す彼らに、さらに涙が出て来てしまう。

泣き出した紫乃に焦る四人だが、彼女が嬉しくて泣いているのだと気づくと、次々にもらい泣きをし始めた。


「・・・お、お前らまで泣くなっ・・・」

「だって紫乃が泣いてっからだろーっ・・・!」


────私は感じていた。

人生の中で、今が一番嬉しくて、誇らしい。

長年お側にいた幸村様と、出会い尊敬する政宗殿。

二人が日ノ本を救ったのだ。


「おい紫乃!もうバレてっからな!お前本当に筆頭と良い仲なんだろ!」

「・・・─っ!? な、何言ってるんだ佐間助っ・・・」


佐間助の言葉にみるみるうちに顔に熱が昇っていく。

良い仲、というのはなんとも恥ずかしい言い方だ。

そ、それに、私も政宗殿も、まともに気持ちを伝えてはいないのだ。

まだ何も始まってはいない。


───でも、私は・・・私は間違いなく、政宗殿のことが・・・


「でもよぉ、実感沸かねーよなぁ! 紫乃が筆頭の姫様になるってことだろぉ!? 似合わねーよー!」



──────姫???


・・・え?



私は耳を疑った。

孫兵衛の言った言葉は、あまりにも自分の考えにはなかったものだったのだ。


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