第4章 恋の残り香
──安土山は静まり返った。
その一瞬の天守の様子を、誰もが手を止め、息を飲んで見ていたからだ。
大きな光とともに、魔王に最後の一撃を放った政宗と幸村。
それを魔王は逃げずに受け止めた。
その結末を、誰もが見ていたのだ。
立ち込める煙。
さらに崩れゆく城。
──倒れたのは、魔王。
二人は勝ったのだ。
いつの間にか夜は明けていた。
城の頂に立つ勝者を、日の光が照らしている。
安土山に、良直の法螺貝と、兵たちの歓声が響き渡った。
「「うお───!!」」
「「筆頭ー!!」」
「「真田の兄さん!!」」