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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第4章 恋の残り香




───────



ド────ン


低く鈍い、そしてこの安土山全体を轟かすような衝撃が走った。

天守に撃ち込まれた一発の大筒。

それは魔王と政宗、どちらをも飲み込む勢いで爆発した。


「政宗殿!」


近くにいた幸村も、その衝撃に耐えるように足を踏ん張った。

飛び散る城の破片に目を細め、爆発の中心にいる政宗を見る。


「政宗殿! 無事にござるか!?」

「・・・・。」


魔王と政宗、どちらも崩れ落ちる天守に倒れていた。

幸村が政宗に駆け寄ると、倒れている政宗はニヤリと笑っていた。


「クククッ・・・」

「・・・政宗殿?」

「・・・やってくれるじゃねーか、紫乃」


紫乃は近くにはいないのに、今政宗の口からその名前が出たことに幸村は首を傾げた。

しかし、政宗には分かっていた。

この弾は誰が撃ったものか。

政宗ともども魔王を狙う、この度胸。

ドでかい大弾をこの月にも届きそうな城の頂に撃ち込む手荒さ。

こんなことをしても伊達政宗は死なない、そう信じきったような信念。

政宗を助けようという、強い想い。


それが、誰のものか。


「・・・あいつのおかげで、目が覚めたぜ」


幸村の手を借りながら立ち上がると、前方にいる魔王も体を起こしていた。

あと一撃。

どちらもあと一撃で、決着がつく。


「政宗殿!」

「真田幸村!・・・あと一撃だぁ! これがlast shotだ! 覚悟はいいか!?」

「この命に代えても討ち取ってみせましょうぞ!!」


政宗は、その尖った爪を。

幸村は、その熱い槍を。


二つの力は光となって、天を駆け巡るように昇っていく。

紅と蒼。

二つの光は絡まりあい、膨張していく。

その力は、膨らんで、膨らんで、膨らんで。



──魔王のもとへ落ちていく。



「「はぁああ────────────っ!!!!!」」




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