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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第4章 恋の残り香




───────



「元親ぁ!! 私は城へ行く!! 行かせてくれ!!」


私はいてもたってもいられなかった。

政宗殿が首を絞められているのがここからでも見えるのだ。

もうだめだ。

ここで黙って見ていることなどできない。


「お前さんが行ったところでどうにかなるもんじゃねぇさ! ・・・こうなったら俺が乗り込んで・・・」

「待て元親! そうだ、これを貸せ!」


すぐ側に取り付けられた富嶽の大筒。

私はそれに目をつけた。

ここから魔王に砲弾を放てばっ・・・!!


「ま、待ちな紫乃! それで魔王を狙う気ならやめときな! もしあの味方の兄さんに当たったら・・・」

「元親、火を着けてここを引けば弾が出るのだな?」

「聞け!」

「・・・できぬのだ。何もせず、守られているだけなど。ここで二人の力になれずに失うのなら、私は死んでも死にきれぬ」

「だ、だからって言ってもなぁ、この重い弾があの城の頂上に届くかどうかっ・・・」

「届くさ」


私の想いは、きっと届く。


「私が打つのだ。届かぬはずがなかろう」


大砲に、火を着けた。

狙いを魔王に定めて。


「お、おい紫乃っ!」

「いけぇ────!!!」


いけ。

私の全てをかけて。

この想い、飛んでいけ。


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