• テキストサイズ

【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第4章 恋の残り香




──────


二対一の接近戦か続く城の天守。

足下の瓦は走り回るたびに崩れていく。


「チッ・・・!」


魔王は斬りかかる二人を簡単に蹴散らしていく。

政宗と幸村は果敢に挑むも、刀一振りの風圧で飛ばされてしまった。


「手応えのない奴らよぉ・・・! 死に急ぎこの第六天魔王の城に登ったことを悔いるが良いわ・・・!」


織田信長は唸るようにそう言うと、吹き飛んだ政宗の首を片手で締め上げた。

そのまま持ち上げられ政宗は苦しそうに顔を歪める。


「政宗殿!」

「来るでなぁいぃ!」


幸村が政宗を助けようと近づくと、魔王はさらに彼の首をかき切る勢いで力を込めた。


「この残された眼・・・己の力を見誤る曇った節穴など、無くとも同じ・・! 今ここで潰してくれるわぁ・・・!」

「チッ・・・!やってみやがれっ・・・!」


魔王は尖った鎧の指先を、政宗の左目を潰さんと近づけていく。

じわじわと彼の目の先までにじり寄る鋭利な刺。


「政宗殿ぉ!!」


打つ手はなし。

───そのはずだった。



/ 147ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp