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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第4章 恋の残り香




「見てみな紫乃。誰か天守にたどり着いたみてぇだ。こっからじゃ赤鬼と青鬼ってことしか分からねぇなぁ」

「本当か!?」


元親を押し退けて甲板に乗り出した。

目を凝らして城の頂上を見ると、確かに二人の武将が天守を破って飛び込んで行った様子が見えた。


「あそこに魔王がいるのか・・・あの二人なら、必ずっ・・・!」

「・・・お前さんの想い人は、あのうちのどっちだ?」

「!? い、いや元親、ち、違っ・・・」

「ハハハ! どっちにしろ強そうな奴らじゃねぇかぁ!」


元親は援護射撃に戻った。

私はといえば政宗殿と幸村様から目が離せない。

心配していないとはいったものの、魔王の禍々しさはこの世のものとは思えないのだ。

乗り込んできた二人に魔王は応戦している。

不安定な瓦屋根を足場に、軽々と二人を相手にするなんて・・・。


「っ!?」


・・・政宗殿、腹を押さえている・・・

もしや傷が開いたんじゃ・・・


「・・・あの鬼ども、苦戦してやがるじゃねぇか」

「!」


元親にそう言われ、一気に怖くなった。

負けるはずがない、先程までそう思っていたのに・・・。


「も、元親っ・・・どうしたらいいっ・・・?」

「どうもできねぇさ。あいつらがふっ掛けた喧嘩だ。俺は俺のやんなきゃなんねぇことをやる。あとはあの野郎ども次第だろ」

「で、でも・・・」


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