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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第4章 恋の残り香



「・・・政宗殿が紫乃を想う心、それは十分理解致した! しかし、それは紫乃自身が決断すべきこと。某に申されるのは筋違いでござる」


幸村の言葉を聞くと、政宗は大きく舌打ちした。


「shit・・・! んなことが聞きてぇんじゃねーんだよ! テメェはどうなのか聞いてんだ、真田幸村!」


恋敵に、自分の気持ちをさらけ出せと言われ、冷静でいられるわけはない。

自分の気持ちなどよく分かっているけれど、幸村はそれを誰かに言葉にしたことはなかった。

ましてや、紫乃の想い人である、政宗になど。


「某はっ・・・」


・・・しかし、彼は思ったのだ。

これは、男と男の勝負。

大切なものを賭けた、男同士の戦なのだ。


「某とて、紫乃を想う心は同じ! 政宗殿に渡すわけにはいきませぬ! 魔王が首、この幸村が獲ってみせましょうぞ!」

「フッ、言うじゃねぇか! その意気だ! 行くぜ! 真田幸村ぁ!」


紅と蒼の二つの炎は、城を駆けのぼっていった。

二人の表情は晴々しいものだった。

男と男の、命を賭けた合戦。

紫乃は知るよしもない。

だが、二人の男の心は、今、確かに一つになったのである。


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