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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第4章 恋の残り香




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二人と、色んな話をした。


これから戦に向かうのだが、そんなことは忘れてしまうほどの安心感。

二人とも、本当に良い奴だ。


「・・・そうか、元親は毛利と長年戦ってきたと聞いていたが、毛利元就とはそのような人物なのだな」

「あちらさんは卑怯な手も使うし、いけ好かねぇ態度もとってくる。・・・けど、勝ちてぇって思うんだよ。心からな」

「・・・そうか」


・・・なんというか、元親と話していると、不思議な気持ちになってくる。

この男、少しだけ、政宗殿に似ているのだ。


「・・・? どうした紫乃。顔が赤いよ?」


慶次と夢吉に覗き込まれてしまい、私は慌てて弁解する。


「あっ、な、何でもないのだっ・・・その、元親が、知り合いに似ていてっ・・・」


私は相変わらず阿呆だ。

我ながら、正直にしか物を話せないのだろうか。


「ははっ、それって、紫乃が恋してる人にかい?」


隠しきれずにさらに顔を赤くした私に、慶次は嬉しそうに頭を撫でてくる。


「皆がそうやって恋の花を咲かせる、そんな世になればいいのにな。・・・なあ紫乃、元親に似てるんじゃ、すっげえ良い男なんだろうな。お前さんの想い人は」

「・・・っ・・・」


恥ずかしすぎて元親の顔が見られない。

あぁ、こんなことで顔を赤くするなんて、本当に修業が足りぬ。

・・・政宗殿のことを思い出しただけで、こんなに・・・。


「紫乃の惚れてる男に似てるってんじゃ、光栄なこったぜ。どうだい、ここはひとつこの鬼も試してみるか?」

「も、もう! 元親っ! からかうのはよしてくれ!」


乗りの良い冗談で返してくれた元親は、私の表情がコロコロ変わるのを面白がっている。

この二人と話すのは楽しい。

こんなときでも、他国の者と友情を交わすことができるのだな。


「元親、慶次!安土山が見えてきたぞ!」


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