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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第4章 恋の残り香




──さて、どこへ向かうべきか。

目をこらすと、ここからでも高くそびえる安土の城が見える。

あれをよじ登ろうというのだ。
政宗殿と幸村様といえど、そう容易くはいかないだろう。

城の足下の敵を殲滅しても、あそこは種子島を操る魔王の城。内部に砲弾が隠されているはずだ。


「・・・目には目を。それしかないか。」


私はお館様の言っていた包囲網の構想を思い出した。


我々関東の勢力が陸から攻め、四国の勢力に対岸から囲わせる、と。

四国の毛利、長曽我部。

特に長曽我部の要塞『富嶽』。
この力は強大で、これに背後をとられれば織田の城も落ちるだろう、と。


富嶽の力を借りられれば、距離をとったうえで砲弾による攻撃を仕掛けられる。


「よし!」


西海の鬼・長曽我部元親に会いに行こう。

そして織田包囲網へ加わるよう説得するのだ。

聞けば海賊のような成りをしているらしいから、きっと一筋縄ではいかないだろうけど。


──さて、問題は、どうやって急ぎ背面の海へ行くかだ。

馬もないし、この足で長く走るのは怪我を悪化させる。

・・・ちくしょう、やはりこれしかないか・・・。


「ぎゃ────!!!!」


私はトラウマとなっている飛行忍具を使い、またこの空を飛んだのだ。

安土山を越えていく。

その上をぐらぐらと揺れる凧に掴まりながら、くるくると切り替わる視界に目を回してすごい速さで風を切った。


「あ───!! 止まって────!!」


叫んだところで止まらない。

止まれと言っても、本当に止まってしまっては困るのだが。


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