第4章 恋の残り香
──ここで各々の役割は定まり、それぞれの目的を果たさんと道は分かれることとなった。
佐助様と片倉殿は、伊達・武田の両軍を率いて城を落とすこと。
政宗殿は幸村様と合流し、先陣にて魔王の首を狙うこと。
私は包囲網への望みを捨てず、近隣諸国を安土山へと集めること。
──政宗殿と片倉殿は先に安土山へと向かった。
佐助様は私の毒が体内から消えるまで、ここで付き添い、それから安土山へ向かうという。
「痛くない? 紫乃」
「はい。申し訳ございません、手当までしていただいて・・・」
「いいっていいって。・・・何だろうねぇ、娘を嫁にやるときの気持ち? 今のうちに紫乃に構っておきたいんだよね。」
「・・・はい?」
私の太股に包帯を巻きながら、佐助様はしみじみと笑っている。