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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君



「了解。俺も紫乃の毒を消したらすぐに安土山へ向かう。竜の旦那。安土山への道中、うちの旦那に会うはずだ。・・・もう、さっきまでの泣きべそかいてた旦那じゃないから。合流してやってよ」

「・・・OK,上等だ」


・・・そうか。

幸村様と、政宗殿・・・。

二人が共闘すれば、どんなに強い力となることだろう。


・・・そうか、私は・・・


「おい武田の忍。そいつはテメェに預けるが、変な気は起こすんじゃねーぞ」

「分かってるって独眼竜。俺と紫乃は仕事仲間なんだから・・・・
・・・って、え? 何? お宅ら、もうそういう関係になってるわけ?」


出陣を前に面白おかしく話す政宗殿と佐助様であったが、私は、ただ呆然と佐助様の腕に収まっていた。


──気づいてしまったのだ。

私は、日ノ本のために、ただひとつ。

大きな大きな役目を果たすことができたということに。


強き紅の闘志をたぎらせ、炎の槍で相手を燃え尽くす幸村様。

月のような鋭い瞳に、蒼き竜の爪で敵に食い込んでいく政宗殿。


───二人が出会ったのは、偶然などではない。


この日ノ本の危機を救うには、二人の力が必要だったのだ。

私に主君が二人いることは、罪深いことなどではなかった。

二人が手を結び、織田の陣を滅すること。


そのために・・・


きっと私はそのために、ここにいたのだ。



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