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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




突然のことに思わず彼の首もとに腕を回した。


「そのままつかまってろよ」

「・・・あの、待っ・・・」


熱い。

この炎にあてられて、私の体温は熱くなっていた。

腕から伝わる政宗殿の体温も、いつも以上に熱い。

体が動かないのをいいことに、片手で体を支えてくれているその腕にすっかりと身を任せる。

なんて逞しい腕なんだ。

この腕も、胸の中も、しがみついている肩も。

こうして私なんぞが絡まったところでびくともしない。


──崩れ落ち始める寺の扉を、政宗殿は刀ひと振りで吹き飛ばした。

その瞬間に炎は裂けて、寺から外へと通じる道がぽっかりと出来上がる。

本当だ。

私を担いでここから出るくらい、彼にとっては造作もないことだったのだ。


炎から離れると、政宗殿は刀を納め、私のことを背に担ぎ直した。


「・・・すまない政宗殿。・・・片倉殿に代わり背を守ると言ったのに、守るどころか、こうして背に担がれてしまって・・・」

「ハッ、小十郎の代わりはアンタにゃ務まらねーよ」


それはそうだ。

ショックだったが、仕方のないことだ。

情けなくて、目の前の広い肩に顔をうずめた。


「・・・でも、小十郎にも、アンタの代わりは務まらねぇ」

「・・・え・・・」


─ドクン─


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