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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君





ずっと知らずにいた気持ちが私の中に溢れだしていた。

こんな気持ちは初めてだ。

政宗殿が前へと進むなら、私はここに取り残されてもいい。
それで平気だと思っていたのに。

でも、今の私はきっと、全然平気なんかじゃない。

きっとこの背中が私から離れていったら、この身が張り裂けそうなくらいに苦しいはずだ。

寂しくて悲しい。

本当はもっと、そばにいたい。


「政宗殿っ・・・私は・・・私は、政宗殿のことがっ・・・」


──政宗殿のことが、好きなんだ。


「それ以上言うんじゃねぇ。」

「・・・えっ・・・?」


しかし、私の決死の想いを告げることを、彼は許さなかった。

その代わりに、この背中に手を添えて私の体を起こし始める。


「政宗殿・・・?」

「その続きは、魔王を倒した後でいくらでも聞いてやるぜ」


すると有無を言わさずに、彼の力強い腕は、私の体を持ち上げた。


「わっ・・・」


彼は私の背と足を持ってこの体を軽々と抱えあげる。

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