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【戦国BASARA】*月夜の盃*【R18】

第3章 二人の主君




こうしている間にも、炎は燃え広がっている。

私は支えのためにもたれていた彼の腕から身を離す。

するとすぐにこの体は立っていられずに崩れ落ちた。


「おいっ・・・」

「・・・おそらく私は、しばらく動けないっ・・・。しかし心配には及ばぬ、自力でここから出るから、先に行っててくれっ・・・」

「何言ってやがる。アンタを担いでここから出るくらいわけねぇんだよ」

「・・・ともに出たところで、私は足手まといだ。・・・早くっ・・・」


これ以上、政宗殿の邪魔をしたくない。

守られてばかりいたくない。

彼のために何もできないのなら、せめて、もうここで見棄てられたほうがマシだ。


「すまない、政宗殿・・・・・私は・・・」


・・・ここで、あのときの返事をしなければ。

もう最後になるかもしれないから。


─『アンタはどうなんだ?・・・紫乃』─


ああ、政宗殿。

もう気付かぬフリは、できそうにない。


もし、今私がお前に対して感じている心が、お前の私に対する心と、同じならば。

この心がお前の心と違わぬというのならば。


──こんなに嬉しいことはない。



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